Google 検索連動型広告(リスティング広告)を運用する際に、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)などの数値を分析するだけではなく、競合他社の掲載状況と比較することも重要です。
Google 広告管理画面には、「オークション分析」という機能があります。
オークション分析から、同じオークションに参加している競合他社様と掲載結果を比較することができます。
具体的に言うと、「狙っているキーワードに、競合広告がどれくらい出稿されているか」、「自社の広告の順位は何番目か」などの状況の確認が可能です。
この記事では、Google 広告のオークション分析レポートの各指標から活用方法までを説明します。
目次
オークション分析とは
オークション分析は、Google 広告の管理画面で自社の広告と競合の掲載状況を把握する便利な機能です。
Google 広告には様々な配信キャンペーン(手法・メニュー)がありますが、オークション分析を利用できるのは「検索キャンペーン」と「ショッピングキャンペーン」のみです。
【確認手順】
Google 広告の管理画面にログイン>画面左で分析したい「キャンペーン」>「オークション分析」という順でクリックすると、オークション分析を確認します。
参考:Google 広告ヘルプ|オークション分析レポートでパフォーマンスを比較する
オークション分析で使われる指標
オークション分析レポートでは下記6つの指標が確認可能です。
しかし、「検索キャンペーン」と「ショッピングキャンペーン」では、確認できる指標が異なるためご注意ください。
検索キャンペーン | ショッピングキャンペーン | |
インプレッション シェア | ◎ | ◎ |
重複率 | ◎ | ◎ |
上位掲載率 | ◎ | ◎ |
ページ上部表示率 | ◎ | × |
ページ最上部表示率 | ◎ | × |
優位表示シェア | ◎ | × |
それでは、各指標から分析できる内容を解説します。
➊ インプレッション シェア
インプレッション シェアは予想される表示回数の推定値で実際の表示回数を割った割合です。
インプレッション シェア = 表示回数 ÷ 広告が表示可能だった合計回数 |
例えば、インプレッションシェアが 70% の場合、表示機会が 100 回あったが、70 回しか表示できてないことを意味します。
広告表示の機会を 30% 失っているため、広告の品質や入札金額による損失の可能性があります。
管理画面のキャンペーン一覧からインプレッションの損失要因を確認し、改善していきましょう!
※また、インプレッションシェアが 10% を超えない場合には「10% 未満」とだけ表示されますので、ご注意しましょう。
➋ 重複率
重複率は、同じオークションでお客様と他の広告主様が同時にインプレッションを獲得した割合を表します。
例えば、競合A社の「重複率」列に 30% と表示されている場合は、自分の広告表示回数の30%は競合A社と一緒に表示されているということです。
重複率を確認しながら、サービス内容や広告文のチェックを行い、他社と差別化するべき点を広告文に追加したほうがいいかもしれませんね。
➌ 上位掲載率(検索キャンペーンのみ)
上位掲載率は自分の広告よりも競合他社が上位に掲載された割合を表します。
例えば、オークション分析レポートで競合B社の「上位掲載率」列に 60% と表示されている場合、自分の広告が B社の広告と一緒に10 回表示されたうちの 6 回、または一緒にオークションにかけられたうちの 60% で、自社より競合B社の広告が優位であったということです。
競合他社の上位掲載率が高くなると、自社広告のパフォーマンスが低下することがわかります。
キーワードの入札調整や広告文の改善など対策を検討しましょう!
➍ ページ上部掲載率(検索キャンペーンのみ)
ページ上部掲載率は、自分の広告が検索結果ページの上部(オーガニック検索結果の上)に掲載された割合です。
例:「web制作 SEO 奈良」での検索結果
検索結果の上部に表示される広告は最大で 4 件と限られています。
例えば、100 回のインプレッションのうち 40 回がオーガニック検索結果上部のいずれかの場所に表示された場合、ページ上部表示率は 40% になります。
参考:広告ヘルプ|広告を Google 検索結果ページの上部に表示する
➎ ページ最上部掲載率(検索キャンペーンのみ)
ページ最上部掲載率は、自分の広告が検索結果ページの最上部(オーガニック検索結果の上部の 1 番目)に掲載された割合です。
掲載順位はクリック率などが大きく変わってくる要素となります。
自社だけではなく、競合他社のページ最上部表示率に変化がないかを確認していきましょう!
➏ 優位表示シェア
優位表示シェアは、オークションで自分の広告が競合他社様の広告よりも上位に掲載された割合、または自分の広告のみが掲載された割合となります。
例えば、競合C社の「優位表示シェア」 列に 20% と表示されている場合は、自分の広告が 10 回一緒に表示されたうちの 2 回、または一緒にオークションにかけられたうちの 20% で、競合C社の広告よりも掲載状況が優位であったことを示します。
その他の競合指標
オークション分析の機能指標を説明してきましたが、管理画面の「競合指標」からもインプレッションの損失項目(要因)は確認可能です。
広告の品質や入札金額などを細かく確認の上、問題点を確実に対処していきましょう!
オークション分析の活用方法
➊ 活用方法:概要画面
管理画面の「概要」からオークション分析の「指標の比較」と「指標の推移」を直接的に確認することは可能です。視覚的な図が、とても分かりやすいです。ぜひ活用しましょう。
➋ 活用方法:キャンペーン単位、広告グループ単位、キーワード単位
・キャンペーン単位の確認手順
画面左に表示されている「キャンペーン」>「オークション分析」という順でクリックすると、キャンペーン単位のオークション指標を確認することができます。
・広告グループ単位の確認手順
画面左に表示されている「広告グループ」>「オークション分析」という順でクリックすると、広告グループ単位(各広告グループ階層)のオークション指標を確認します。
・キーワード単位の確認手順
画面左に表示されている「検索キーワード」>「オークション分析」という順でクリックすると、特定のキーワードのオークション指標を確認することができます。
また、Google広告の「レポーティング機能」を活用したオークション分析レポートを作成することも可能です。
詳しい手順は割愛します。興味がある方、ぜひ下記の記事を参考にしてください。
参考:Google 広告ヘルプ|レポート エディタでカスタム レポートを作成する
最後に
オークション分析レポートを活用することで、自分の広告パフォーマンスや競合他社の動きを確認することができます。
競合に圧倒的な強みがあり、広告費の違いでインプレッションシェアに差をつけられて、中小企業にとっては上位を狙うことが難しいケースが多いです。
他社と比べて広告の露出量で負けていないか、ランディングページの訴求に勝っているか、
客観的なデータに基づいて、Google検索広告の入札単価や予算を戦略的に調整しましょう。
検索広告運用について気になる点やご不明点があれば、お気軽にご相談ください!