Googleアナリティクス(GA4)には、計測されたデータを確認するための標準レポートがあります。それらのレポートを確認することで、ユーザーの属性や行動全体に関する分析を行うことができます。
今回のブログは、標準で用意されているレポートの概要を説明します。
目次
標準で用意されているレポートの概要
まずは、左側の「レポート」グローバルナビゲーションから見ていきましょう。
「レポート」 をクリックすると、「スナップショット レポート」「リアルタイム レポート」「事前定義レポート」が表示されます。「事前定義レポート」は「ユーザー」と「ライフスタイル」という2つの大きな枠組みでの分析が基本となります。
➊ レポートのスナップショット
主要な指標を一覧できるダッシュボードの形で確認できます。
「レポートのスナップショット」を編集することも可能です。
詳しくはGA4のヘルプページを確認してください。
参考:[GA4] 概要レポートと「レポートのスナップショット」をカスタマイズする
➋ リアルタイム
ウェブサイトで発生したユーザーの行動をリアルタイムでモニタリングできる機能です。
筆者は主に以下の場合に「リアルタイム」を使います。
・ブログやSNSでの投稿などによる瞬間的な効果を確認します。
・ウェブサイトに設置した測定コードが適切に機能しているかを確認します。
・キーベント(旧称:コンバージョン)の詳細を確認します。
それでは、事前定義レポートを紹介します。
「ユーザー」といったコレクションにはデフォルトで次のレポートが含まれます。
また、編集者またはそれ以上の権限を持つユーザーは任意のレポートをコレクションに追加できます。
コレクション | トピック | レポート |
ユーザー | ユーザー属性 | 概要 |
ユーザー属性の詳細 | ||
オーディエンス | ||
ユーザーの環境 | 概要 | |
ユーザー環境の詳細 |
➌ ユーザー属性
ウェブサイトを利用しているユーザーの属性(国・地域・性別など)のデータが確認できるレポート群です。ユーザー属性には「概要レポート」と「ユーザー属性の詳細」「オーディエンス」の2つの詳細レポートがあります。
参考:[GA4] ユーザー レポート(オーディエンス)
参考:[GA4] ユーザー属性の詳細レポート
➍ テクノロジー
ウェブサイトを利用しているユーザーの環境(ブラウザ・デバイスカテゴリなど)のデータが確認できるレポート群です。
参考:[GA4] ユーザーの環境の概要レポート
参考:[GA4] ユーザーの環境の詳細レポート
➎ 集客
ウェブサイトを利用しているユーザーの流入経路を軸にデータを確認するためのレポート群です。概要レポートと「ユーザー獲得」「トラフィック獲得」「ユーザー獲得コホート」3つの詳細レポートを確認することが可能です。
レポート | 説明 |
概要 | 新規ユーザーとリピーターがウェブサイトを見つけた方法に関する概要レポート |
ユーザー獲得 | 新規ユーザーがウェブサイトに最初にアクセスした経緯を把握できる詳細レポート |
トラフィック獲得 | ウェブサイトにアクセスしたユーザーのアクセス元を把握できる詳細レポート |
ユーザー獲得コホート* | 同じ属性を持つユーザーグループを分析できる詳細レポート ※コホート(cohort)共通因子を持った集合体という意味です。 |
参考:[GA4] 集客サマリー レポート
参考:[GA4] 概要レポートについて
参考:[GA4] ユーザー獲得レポート
参考:[GA4] トラフィック獲得レポート
➏ エンゲージメント
ウェブサイトを利用しているユーザーの流入経路を軸にデータを確認するためのレポート群です。概要レポートと「イベント」「ページとスクリーン」「ランディング ページ」3つの詳細レポートを確認することが可能です。
レポート | 説明 |
概要 | エンゲージメントに関するデータを確認できる概要レポート |
イベント | ウェブサイトで各イベントがトリガーされた回数と、各イベントをトリガー*したユーザー数が表示される詳細レポート ※トリガー:作動や起動装置といった意味です。 |
ページとスクリーン | ユーザーがアクセスしたウェブサイトのページに関するデータを確認できる詳細レポート |
ランディング ページ | ウェブサイトにおけるユーザーの行動を把握するための詳細レポート |
参考:[GA4] エンゲージメント概要レポート
参考:[GA4] イベント レポート
参考:[GA4] ページとスクリーンのレポート
参考:[GA4] ランディング ページ レポート
➐ 収益化
ウェブサイトで獲得した購入による収益・定期購入による収益・広告収益や、ユーザーの購入行動を確認するためのレポート群です。
レポート | 説明 |
概要 | 新規ユーザーとリピーターがウェブサイトを見つけた方法に関する概要レポート |
e コマース購入数 | 新規ユーザーがウェブサイトに最初にアクセスした経緯を把握できる詳細レポート |
アプリ内購入 | ウェブサイトにアクセスしたユーザーのアクセス元を把握できる詳細レポート |
プロモーション | 各プロモーションの購入と収益への影響を表示する詳細レポート |
購入経路 | 購入ファネルの各ステップ間で離脱したユーザーの数を確認できる詳細レポート |
決済経路 | 決済手続きを開始し、購入ファネルの後続の各ステップを完了したユーザーの数と割合が表示される詳細レポート |
参考:[GA4] 収益化の概要レポート
参考:[GA4] e コマース購入レポート
参考:[GA4] アプリ内購入
参考:[GA4] プロモーション レポート
参考:[GA4] 購入経路レポート
参考:[GA4] 決済経路レポート
➑ 維持率
ユーザーの維持率やライフスタイルバリューを確認するためのレポートです。
サイトに初めてアクセスしたユーザーが、その後のエンゲージメントに費やした時間の平均や、初めてアクセスしてからの 42 日間に再度アクセスしたユーザーの日別の割合が含まれます。
➒ ライブラリ
「ライブラリ」を使用すると、レポートを管理したり、カスタマイズしたりすることができます。
※注意:編集者と管理者の権限が必要です。
他の機能
レポートを通じて数値を確認することではなく、レポートの管理画面はの右上から「期間の範囲の指定・比較」「レポートの共有」といった機能があります。さらに使いこなすには、「比較データを編集」などの機能を利用することも可能です。それでは、共通のレイアウトにある6つの機能を紹介します。
機能1:期間指定
レポートでは、期間を変更したり、2つの期間のデータを比較したりすることができます。また、レポートの期間を変更すると、他のすべてのレポートもその新しい期間で更新されます。
機能2:比較データを編集
比較を使用すると、データのサブセットを並べて評価できます。たとえば、モバイルトラフィックとウェブのトラフィックのデータを比較できます。
機能3:このレポートを分析にエクスポート
標準レポートの画面右上「このレポートを分析にエクスポート」をクリックすると、自動でその画面を再現した探索レポートが生成されます。
機能4:このレポートの共有
レポートへのリンクを共有したり、レポートを PDF または CSV 形式でエクスポートしたりすることができます。
機能5:Insight
GA4の「Insight」は機械学習を利用してデータに対する理解を深めて適切な決断を下せるようにするための機能です。
機能6:レポートをカスタマイズ
詳細レポートと「概要レポート」「レポートのスナップショット」をカスタマイズすることは可能ですが、以下2つの注意点があります。
注意1:各 Google アナリティクス プロパティごとにカスタム レポートを最大 150 個作成できます。
注意2:詳細レポートをカスタマイズして、レポートに表示されるデータを変更するには、編集者または管理者の権限が必要です。
参考:[GA4] 概要レポートと「レポートのスナップショット」をカスタマイズする
参考:[GA4] 詳細レポートをカスタマイズする
よくある質問
質問1:ユーザー属性の概要レポートには性別と年齢のデータがありません…
性別や年齢のデータを収集するためには、Google シグナルを有効にする必要があります。
Google シグナルを有効にすることで、Googleのユーザーデータ(広告のパーソナライズ設定に基づく情報)を使用して、詳細なユーザー属性データを取得できます。
また、特定の期間中に十分なデータが収集されていない場合も、性別や年齢のデータが表示されないことがあります。
質問2:集客レポートの「ユーザー獲得」と「トラフィック獲得」の違いは?
「ユーザー獲得」レポートは、新しいユーザーがどのようにしてあなたのサイトに最初に訪れたかを示します。このレポートは、初めて訪れたユーザーに焦点を当てており、新規ユーザーの獲得チャネルを分析するために使用されます。
「トラフィック獲得」レポートは、全ユーザー(新規およびリピーター)がどのようにしてあなたのサイトに訪問したかを示します。すべてのトラフィックに焦点を当てて、サイト全体のトラフィックパターンを分析するために使用されます。
質問3:集客レポートの「ページとスクリーン」と「ランディング ページ」の違いは?
GA4の「ページとスクリーン」レポートは、ユーザーがサイト内で閲覧した全てのページやスクリーンのパフォーマンスを評価するためのデータを提供します。一方、「ランディング ページ」レポートは、ユーザーが最初に訪れたページに関するデータを分析し、マーケティングキャンペーンの効果を測定します。
前者は表示回数やエンゲージメント時間を、後者はセッション数やバウンス率、新規ユーザー数を主要指標とします。
まとめ
以上、標準で用意されているGA4レポートを説明しました。
ページビューを軸としたセッションで計測するUAから、ユーザーを計測軸とするGA4に移行した後、皆さんはどう感じていますか?
個人的にはユーザーの行動を分析しやすくなったと感じています。
GA4を活用してご自身のサイトを客観的に把握することができますので、ぜひ活用してください。
当社は、Web解析士およびGoogleアナリティクス認定資格を取得した担当者が直接対応します。Googleアナリティクス4(GA4)についてご不明な点やお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。