「ホームページとブログの連携をさせてWeb集客したい」という相談があります。最近、WordPress(ワードプレス)を活用して情報を積極的に発信する会社が増えてきました。実際ブログ運営において、「継続が難しい」「アクセス数が増えましたが、コンバージョン(見込み顧客からの問い合わせ)が少ない」などの課題も存在します。

本記事では、企業がブログを始める前に注意すべきポイントを詳しく解説します。これからブログを運営しようとしている方々の手助けとなれば幸いです。

ブログ運営の目的とブログ集客の仕組みとは

まず、ブログ運営の目的とは何だと思いますか?
そうです!多くの企業がブログを運営する目的は「集客」です。

しかし、集客だけではなく、社内のノウハウや技術を共有する教育ツールにしたり、採用の視点でカルチャーを発信したりする会社も多いです。どんな目的でも「情報発信することで自社の存在(認知度)を向上させる」ということは同じでしょう。
典型的なブログ集客の仕組みを以下の図が表すように、ユーザーが「○○」を検索します→「△△」記事を読んで→内容に共感して問い合わせます。

例えば、ノウハウや技術のブログを定期的に発信している弊社は、以下のようなお問い合わせがきました。

△△につきまして、代行を行っている旨を拝読しましたので、問合せさせていただきました。
こちら、料金について教えて頂きたいのですが商品当たりのコストはおいくらでしょうか。

ブログ集客に向いている業種業界

ブログはあくまでもWeb集客の一つの手法です。前述した通り、ブログ運営は決して容易ではありません。無用な労力をかけないように、ブログを始める前にまず知っておくべきことは、ブログ集客は自社のビジネスとの相性です。

ブログ集客に向いている業界業種は主に2種類あります。
一つは、企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデルを展開している企業、いわゆるBtoB業界です。もう一つは、「金融」「健康」「美容」「医療」など人々の経済と生活に深刻な影響を与える業界です。なぜなら、それらの領域では顧客との信頼関係がとっても重要だからです。

ブログを通じて専門的な知識や業界の洞察を発信することで、顧客や見込み顧客と長期的な信頼関係を構築することができます。少額商品やアパレル業界の場合はブログよりSNSを活用したほうが適切かもしれません。

ブログを始める前に知っておくべき注意点

「なるほど!自社は工務店なので、金額が大きいし、お客様の生活にも密接な関係があるので、やっぱりブログをやったほうがいいですね。」

その通りです。しかし、ホームページと効率的に連動するために、ブログを始める前に他の注意点があります。次は「ブログツールの選定」や「検索エンジン・ユーザーに評価される方法」を解説します。

➊ 無料ブログサービスではなく、独自ドメインでCMSを利用する

集客できるブログを運営するための第一歩は、ブログを開設する場所選びです。
開設場所について、「無料ブログサービス」と「独自ドメインでCMS*」を利用するという2つの選択肢があります。それぞれの違いとメリット・デメリットを以下の表にまとめました。

CMSとは、Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の略です。簡単にいうとWebサイトのコンテンツを構成するテキストや画像やレイアウト情報(テンプレート)などを一元的に保存・管理するシステムのことです。

ブログの種類 無料ブログサービス 独自ドメインでCMSを利用するブログ
代表例 ・アメブロ
・はてなブログ
・WordPress
・Movable Type
メリット ・コストの負担がない
・登録次第に利用可能
・SEO重要な箇所を自由に編集できる
・すべての記事の所有権が自分自身
・強制的広告を表示されることがない
・ドメイン内の競合がない
デメリット ・SEO重要な箇所を自由に編集できない
・広告が表示される
・他のブログとの競争がある
・サービスが終了する可能がある
・ドメイン取得や維持する費用が必要
・導入する手間がかかる
・慣れるまで時間がかかるかも

ブログ運用の目的は、ターゲットユーザーを自社サイトに呼び込むことです。

CMSを利用するブログは費用や手間が掛かりますが、サイトの検索順位を上げて効率的に集客したい場合は、無料ブログサービスではなく、CMSを利用するブログを導入してください。代表的なCMSの中で、特にWordPressをおすすめします。Q-Successによると日本国内でWordPressのシェアは84.4%となり、圧倒的な人気を誇っています。WordPressの人気の5つの特徴を説明します。
出典:Distribution of content management systems among websites that use Japanese

特徴1:ユーザーフレンドリーなインターフェース
WordPressの操作画面は非常に分かりやすいです。初心者でも直感的に使えます。コードの知識がなくてもウェブサイトやブログを作成・管理することも可能です。

特徴2:圧倒的な数の技術者がいる
WordPressはもっとも普及しているCMSであるため、WordPressを使える技術者が他のCMSと比べて多いです。システム改造や導入を依頼する場合に依頼先が多いので、低コストで早く対応してもらえる傾向にあります。

特徴3:参考書や解説動画などが多い
WordPressの使用者が多いため、機能や特徴についての参考書や解説動画が多いです。初心者でもその設置方法や活用方法を学びやすい環境がそろっていると言えます。

特徴4:プラグイン*が充実している
WordPressの機能を拡張するためのプラグインが数万種類あります。SEO、セキュリティ、フォーム作成、ソーシャルメディア連携など、さまざまな用途に対応できます。例えば、「all in one seo」をWordPressにインストールすると、タイトルタグ、メタディスクリプション等のSEO上重要な項目をページごとに設定することが可能になります。

プラグイン(Plug-in)とは、拡張機能の意味です。WebブラウザやCMSなどに機能を追加し、使いやすくするためのプログラムをプラグインと言います。

特徴5:テーマ、テンプレートが豊富
WordPressに人気がある理由の1つが、デザインテンプレート(テーマ)の豊富さです。数千種類の無料および有料のデザインテーマを利用することができます。気に入ったものを自分のWordPressに適用すると、洋服の着せ替えのような感覚でブログのデザインを一新できます。

➋ 分かりやすいブログレイアウトを作成する

ブログのレイアウトはUX(ユーザー エクスペリエンス)に直接影響を与えます。
きれいで整ったレイアウトは、プロフェッショナルな印象を与え、サイト(企業)の信頼性を高めることができます。適切なナビゲーションを設置することで読者が長く滞在し、再訪問する可能性が高まります。分かりやすいブログのレイアウトを作成するために、以下の注意点があります。ぜひご参考ください!

・読者の注意を引くヘッダー画像を記事の冒頭に掲載する
・情報量が多い記事の冒頭に目次を入れる
・出典や関連情報、引用部分などが明確に区別できるようにする
・BOX(囲み)の背景色や見出しのサイズなどデザインのルールを統一する
・むやみに色数を増やさない

➌ 検索エンジンに認識させるための内部対策が不可欠

SEO対策は主に「外部対策」と「内部対策」2つに区分されます。
外部対策とは、被リンクを獲得するために外部サイトを通じて行うSEOの施策のことです。
内部対策とは、Webサイトやページを検索エンジンに正確かつ早くクロールしてもらい、正しく評価をしてもらうためにWebサイト内部でおこなう施策のことです。

外部対策をコントロールするのが難しいので、自分が管理できる部分(内部対策)をしっかり行って行きましょう!内部対策にはいろいろな手法があります。その中でもっとも重要なポイントは次の3つの要素です。

3つの要素 説明 注意点
タイトルタグ HTMLソース内の<title>と</title>タグで囲われた部分 ・目標キーワードを最低1回、最大でも2回程度を含める
・文字数は28~30文字まで
メタディスクリプション HTMLソース内のdescription” content=””というタグの中にある「”」と「”」間に記述する部分 ・目標キーワードを最低1回、最大でも2回程度を含める
・目安の長さは120文字くらいまで
h1タグ HTMLソース内の<h1>と</h1>タグで囲われた部分 ・タイトルタグと違うように設定する

➍ E-E-A-Tを考慮して、読者の満足度を高める

E-E-A-Tとは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の略で、Googleの検索品質評価ガイドラインで定義されてるウェブサイトの評価基準のことです。
出典:E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて

Googleは検索順位の決め方を公表してませんが、検索セントラルは下記の内容を明記しています。

Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。どのコンテンツが E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。

 
ブログ記事の本当のターゲットは Googleではなく、読者(ユーザー)です。どのような姿勢でどのような記事を書いていくかをよく考えないといけません。ブログの読者が記事に求めることを間違えると、意味のない情報発信になってしまって「時間と労力の無駄」としか言えないです。ぜひ、E-E-A-Tを考慮したコンテンツを作成することで読者の満足度を高めて行きましょう!

ブログ集客の初心者が聞きたいよくある質問集

Q:効果が出るまでどのくらいの時間がかかりますか?

ブログ集客で効果が出るまでの時間は、コンテンツの質と量やSEO対策、競合状況など様々な要因に依存します。数ヶ月から1年程度を見込むのが一般的です。ブログを成功させるためには、継続的に高品質なコンテンツを作成し、正確なSEO対策を行うことが重要です。

Q:ブログに必要な文字数はありますか?

ブログ記事の適切な文字数は、目的やターゲットユーザーに応じて変わりますが、最低限の文字数を言うと、1200〜2500文字程度が必要です。しかし、本文中に不自然な単語の塊がある場合、サイトの検索順位が下がる可能性が高いです。ユーザーに評価されるため、文字だけではなく、画像やイラスト、動画なども活用したほうがいいでしょう。

Q:ブログ集客に役立つツールを教えてください

目的と用途によって、ブログ集客に役立つツールは多岐にわたります。
ブログ集客の初心者におすすめするツールは、「Googleサーチコンソール」「Googleキーワードプランナー」「Googleアナリティクス」3つです。

参考記事:【本当に役立つ】Googleの提供する無料ウェブマーケティングツール8選

Q:内製と外注どちらがいいですか?

ブログ運営の内製と外注にはそれぞれメリットとデメリットがあり、企業の具体的な状況に合わせて選んだほうがいいです。多くの企業は外注を活用しつつ、内部でも重要なコンテンツの制作を行うことで、両者の利点を最大限に活用しています。どちらの方法が自社に最適かを慎重に検討し、タイミングや場面に応じて調整することが重要です。

弊社はCMSを構築するサービス、及びブログ運営支援サービスを提供しています。
WordPressの導入やブログ運営に関するご相談があれば、ぜひ当社にお問い合わせください。

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