自社ECサイトであれ、楽天市場やAmazonモールへの出店であれ、Web担当者にとって「売上をどう伸ばすか」は永遠のテーマですよね。A社の悩みは売上、B社の悩みも売上、そしてC社の悩みもやはり売上です。しかし、各社の状況や取り扱う商材は異なるため、一見同じ問題に見えても、解決方法は全く異なることがあります。

この記事では、売上に関する基本的な考え方と、自社の課題を迅速に見つける方法を解説します。また、本質的な課題を解決するために注意すべき4つのポイントも紹介します。
これにより、現在の悩みを解消するだけでなく、将来新たな課題が発生した場合にも応用できる解決策を見つけられるでしょう。

基本:売上を伸ばすための売上方程式

ある日、上司から「○○までに○○万円の売上を伸ばしましょう!」と言われ、慌ててあらゆる手段を試みる担当者もいるかもしれません。しかし、まずは冷静に状況を分析し、問題の核心を見極めることが重要です。そのため、第一歩として「売上方程式」を説明します。

ECサイトの売上についての方程式は以下の3つの要素によって決まります。

ECサイトの売上 = 訪問者数(集客) × 購入率(CVR) × 客単価

 
訪問者数(集客):サイトに訪れる人の数。多くの人が訪れれば、売上のチャンスが増えます。
購入率(CVR):訪問者のうち、実際に購入する人の割合。高い購入率は、訪問者が商品を購入する確率を高めます。
客単価:1回の購入で顧客が支払う金額。客単価が高ければ、少ない購入でも売上が増えます。

構成要素 説明と特徴
訪問者数
(集客)
訪問者数を増やす方法は数多く存在し、それぞれ特徴や効果が異なる。
自社の状況やリソースに適したプラットフォームや方法を選択することが重要である。
購入率(CVR) 3つの要素の中で少しの改善でも大きな効果を得られる最も重要な部分。
しかし、BtoCの状況では、ユーザーの興味関心や端末のアップデートなども影響要因のため、常に市場環境とユーザー行動の変化を把握・対応することが重要である。
客単価 客単価の向上は最も難しい部分。顧客のニーズを深く分析する必要がある。

 
この方程式を見ると、すぐに集客の部分に注目する人が多いかもしれません。筆者はまず業界の平均的な購入率(CVR)*を把握することが最初のステップだと考えています。
なぜなら、お金をかけて訪問者数(集客)を増やすことは比較的簡単にできますが、穴あきバケツ理論のように、ECサイトに穴があれば、時間と費用をかけても購入率(CVR)が低ければ費用対効果が悪化します。そのため、最初に業界平均の購入率(CVR)を確認しましょう!

※業界の指標を知る方法:GA4の「ベンチマーク機能」を活用してください。

もし購入率(CVR)が業界平均水準よりも低ければ、まずECサイトの購入率(CVR)を改善してください。業界平均水準以上となる場合は、社内外のリソースを活用して集客を進めましょう。頑張って新規顧客を獲得した後は、関係構築を通じてロイヤルティ(企業や商品に対する愛着や忠誠心)を高めることで、特別なキャンペーンを実施しなくても、客単価やLTV(顧客生涯価値)が自然に向上することが期待できます。

この3つの要素における売上を伸ばす具体的な方法を以下の表にまとめました。
すべての内容を網羅することはできませんが、以下は多くの企業が用いられている手法です。各社の状況は異なるため、具体的な課題に応じた個別の解決策が必要なので、ご注意ください。

よくある手法 例・説明
訪問者数
(集客)
広告 Google AdsやSNS広告でターゲットユーザーを効果的に集める
SEO対策 検索エンジンで上位表示を狙う
SNS運営 SNSで商品の魅力を発信し、フォロワーを増やす
メルマガ配信 メールマガジンでセール情報や新商品の案内を送信する
購入率
(CVR)
信頼性の向上 セキュリティ対策や、返品・交換ポリシーの明示で安心感を与える
魅力的な商品ページ 高品質な画像、詳細な説明、レビューの掲載などで商品価値を伝える
購入プロセスの簡略化 煩雑な会員登録を避け、ワンクリックで購入できる仕組みを導入する
EFO
(エントリーフォーム最適化)
ECサイトにおける入力フォームの使いやすさを改善する
ユーザーインセンティブ 限定クーポン、送料無料キャンペーンなどで購入意欲を高める
客単価 クロスセル・アップセル 関連商品や上位グレードの商品を提案する
セット販売や割引 バンドル商品を作成し、まとめ買いを促進する
ポイントプログラムの導入 購入金額に応じたポイント還元で、より多くの購入を促す

 
例えば、Web広告で集客する場合、Google広告とInstagram広告のどちらを選ぶべきか、ターゲットをどのように設定するか。また、SEO対策については、どのキーワードを強化すべきか、内部対策と外部対策の評価をどうするか。Web集客に関する知識や経験がない場合は、専門のWebマーケティング会社を活用することで、時間を節約しつつ最大の効果を得ることができます。

特に中小企業の場合、「Web広告もやりたい、SNS運営もやりたい」となりがちですが、その結果、物事が中途半端になってしまう可能性が高いです。優先順位を明確にし、一つずつ着実に解決していきましょう!

現状の本当の課題は何か?6つの質問で解決!

上記では「売上を伸ばすための売上方程式」について説明しましたが、実際にどの部分を優先的に対応すべきか、どのように判断すれば良いのでしょうか?
次の6つの質問を通じて問題の核心をすばやく見つけることができます。

質問1:「新規顧客の獲得」と「リピーターの促進」のどちらが重要ですか?
質問2:新規顧客を獲得する場合、「潜在層」と「顕在層」のどちらを重視するべきか?
質問3:サイト訪問者が欲しい商品を見つけられるか?
質問4:商品ページを閲覧した顧客は迷わずにカートに入れるか?
質問5:買い物かごに商品を入れたのに注文ができない理由とは?
質問6:新規顧客が再購入しましたか?リピーターの購入頻度や金額を把握していますか?

 
この6つの質問は、消費者が商品を購入する際の行動プロセスに基づいて作成されています。以下にロードマップ(画像をクリックすると拡大できます)を示しながら詳しく説明しますので、ぜひ最後までお読みください!

質問1:「新規顧客の獲得」と「リピーターの促進」のどちらが重要ですか?

最初に把握すべきことは、顧客の構成・分類です。ここで言うのは、性別や地域といった指標ではなく、自社と顧客の関係に基づいて、顧客がどの段階にいるかということです。人間の成長に例えると、子供→大人→高齢者といった人生のステージがあります。
顧客の成長段階に応じて、大きく「見込み顧客」「新規顧客」「リピーター」の3つに分けることができます。

分類 説明
見込み顧客 まだ商品を購入していないものの、何らかの形で興味や関心を示している人々
新規顧客 初めて商品を購入した顧客
リピーター すでに購入したことがある顧客で、再度商品を購入してくれる顧客

 
最初に押さえておくべき考え方は2つあります。
1つ目は「転換率」に関する考え方です。どのように見込み顧客を新規顧客に変え、また新規顧客をどのようにリピーターに変えるかということです。2つ目は、「全体的な構成」を把握することです。例えば、自社の現状を分析し、新規顧客とリピーターがそれぞれどれくらいの割合を占めているのか、また新規顧客とリピーターが売上にどのように貢献しているのかを把握することです。

上記の2点を踏まえて「新規顧客の獲得」と「リピーターの促進」のどちらに重んずべきかは、ビジネスの成長段階や目標、さらには業界特性に応じて異なります。具体的な例を挙げながら解説します。

例えば、事業開始初期のスタートアップ期や新しいオンラインストアを開設した場合、新規顧客の獲得が最優先です。ブランド認知度を高めるためには、Google広告やSNS広告を活用し、幅広い潜在顧客にアプローチしたほうがいいでしょう。
一方、顧客基盤がある程度構築された成長期に入ると、リピーターの促進がより効果的です。例えば、リピーターが売上の40%を占めるアパレルECサイトでは、「顧客単価」や「購入頻度」を高めるために「ポイントプログラム」や「メルマガ」での限定セール案内を活用してもいいと思います。

また、安定した収益を維持している成熟期においては、新規顧客の獲得とリピーターの促進の両方をバランス良く行うことが重要です。全国展開している飲食ECサイトでは、新規顧客向けの割引キャンペーンを実施する一方、既存顧客には季節限定のセット販売や新商品の先行案内を行うなど、双方にアプローチする取り組みがよく見られます。

目標や業界特性によっても優先すべき事項は異なります。例えば、新規市場への進出を目指す場合、新規顧客の獲得が重視されます。一方で、競争が激しい業界ではリピーターの促進が重要となります。例えば、競合が多いコーヒー豆販売のECサイトでは、顧客ロイヤルティを高めるために、定期購入割引や会員限定特典を提供するなど、リピーターを囲い込む戦略が売上向上に直結します。

「上位2割の顧客が売上の8割を作っている」というパレートの法則や、「一般的に新規顧客の獲得にはリピーターを獲得するよりも5倍の労力・コストがかかる」という1:5の法則を聞いたことがありますか?「新規顧客の獲得」と「リピーターの促進」のどちらを優先すべきかは、ビジネスの現状や目標、さらには業界の特性に大きく左右されます。自社の状況を正確に把握し、それに応じた戦略を選びましょう!

質問2:新規顧客を獲得する場合、「潜在層」と「顕在層」のどちらを重視するべきか?

新規顧客を獲得する場合、自社の状況や市場規模の変化に応じて、具体的な判断が必要です。まず、「顕在層」と「潜在層」の特徴について説明します。

顕在層 潜在層
説明 明確な関心を持つ顧客層 関心がまだ明確でない顧客層
規模の数 少ない 多い
購入意欲 高い 低い
アプローチ
方法
商品やサービスの魅力を訴求して即効性を狙う 広告で潜在的なニーズを喚起し、関心を引き出す
広告施策
の効果
高いコンバージョン率、即効的な売上向上が期待できる ブランド認知度向上を目指す、効果は時間がかかることが多い
代表的な
手法
検索広告(Google AdsやYahoo!広告) SNS広告(InstagramやTikTokなど)
コンテンツマーケティング(ブログや動画)

 
潜在層とは、まだ自社の商品やサービスに対して明確な関心を持っていない層です。潜在層をターゲットにする場合、Google広告やSNS広告などを活用して広範囲にアプローチし、ブランドの認知度を高めることが目的です。この段階では、より多くの人々に自社の商品やサービスを知ってもらうことが重要です。

一方で、顕在層は、自社の商品やサービスに対してすでに一定の認知があり、購入意欲が高い顧客層です。この層に対しては、既存のニーズや関心に合わせたキャンペーンを行うことで、短期間で売上の向上を図ることができます。

施策を行う際に「顕在層」と「潜在層」は完全に分かれているわけではなく、重なる部分もあります。例えば、Google広告を配信する際、最初は最小限の予算でコンバージョンを得て、その結果に基づいてターゲット層を適切に拡大し、中期的に売れる仕組みを作る方法もよくあります。
そのため、どの段階にいるかによってターゲット層を変更することが非常に重要ですが、目の前の課題に対応するだけでなく、中長期的な視点で安定した集客の仕組みを構築することも忘れないでくださいね。

質問3:サイト訪問者が欲しい商品を見つけられるか?

ECサイトに訪問したユーザーが商品を購入せずにサイトを離れてしまうのは、非常に残念なことですよね。
実際、ユーザーがECサイトに訪れるということは、何かしらの購入意図があることが多いため、なぜ彼らが商品をカートに入れなかったのかを考えたことがありますか?
筆者は主な原因は二つあると思います。ひとつは、ECサイト上にユーザーが欲しい商品がなかったこと、もうひとつは、サイトの使い勝手が悪く、商品を見つけられなかったことです。

一つ目の場合は商品開発チームと連携し、ユーザーのニーズに合った商品を新たに取り扱うことを検討する必要があります。ここでは、特に「使い勝手の問題」の解決策を簡単に説明したいと思います。

訪問者が欲しい商品をすぐに見つけられるかどうかは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の重要な要素です。この部分を改善することで、商品をカートに入れてもらえる確率が大きく向上します。以下に、UX向上のために注力すべきポイントをいくつか挙げます。

1. 検索機能の充実(検索バーの設置、絞り込み機能、検索予測・補完)
2. カテゴリやナビゲーションの最適化
3. 商品情報のわかりやすさ
4. 顧客レビューと評価の活用
5. モバイル対応の重要性
6. サイトのスピード

 
まず、ユーザーが探している商品を迅速に見つけられるように、サイトのナビゲーションが直感的で分かりやすいことが求められます。例えば、カテゴリーごとに整理された商品一覧や、検索機能の充実が効果的です。また、絞り込み検索やフィルタ機能を提供することで、訪問者が自分の求める商品を素早く見つけやすくします。さらに、商品ページへのリンクを目立たせ、訪問者がスムーズに必要な情報を得られるようにすることも大切です。

特にモバイルユーザーが増加している現在では、モバイル端末でも商品を簡単に探し、閲覧できるようにサイトデザインを最適化することが必須です。表示速度の速さや、レスポンシブデザインを取り入れることで、どのデバイスでもストレスなく買い物ができるようにしましょう。
サイト訪問者が欲しい商品をすぐに見つけられるようにすることは、コンバージョン率を高め、売上を向上させる重要な部分となります。

質問4:商品ページを閲覧した顧客は迷わずにカートに入れるか?

実店舗で商品を手に取り、実際にその質感を感じたものの、最終的に購入を決定しなかった状況を想像してみてください。よくある理由と言えば、価格が予算を超えている、自分に合っていない、必ずしも購入しなければならないものではないと感じた時、または特別に魅力を感じなかった場合ですよね。
商品の購入に影響を与える要素は非常に多くあります。ECサイトでの購入決定に関わる要素は、「ブランディングの4つの価値」*や「マズローの欲求5段階説」*に基づく5つの要素に整理できると考えられます。

ブランディングの4つの価値は:機能的価値(製品やサービスの品質や利便性)、感情的価値(ブランドを通じた満足感や信頼感)、自己表現価値(ブランドを通じた個性やステータスの表現)、社会的価値(社会貢献や環境配慮による満足感)です。これらを効果的に活用することで、ブランドは顧客との強固な関係を築けます。

マズローの欲求5段階説:アメリカの心理学者アブラハム・マズロー(Abraham Maslow)が提唱した人間の欲求に関する理論で、人間の行動を動機づける要因を5つの階層で説明しています。下位から順に、生理的欲求(生命維持)、安全の欲求(安定や安心)、社会的欲求(つながりや愛情)、承認欲求(評価や自己価値)、自己実現の欲求(可能性の追求)で構成されます。基本的な欲求が満たされると、より高次の欲求が現れるとされます。

第一段階は、「安全」と「機能」に関する最も基本的な要素です。「安全性」とは、主にECサイトのセキュリティや商品の品質を指します。「機能面」では、顧客が抱える悩みを解決する部分が重要です。例えば、炒め物を作りたいならフライパンを選び、スープを作りたいなら鍋を選ぶなど、具体的なニーズを満たす機能が求められます。

第二段階の情緒的要素は、商品の購入時に顧客に喜びや楽しさをもたらす感情的な価値です。価値観(自己表現)要素は、顧客が商品を通じて自分自身を表現したい、または他人と差別化したいという欲求を反映しています。特定のブランドやデザイン、ライフスタイルに共感することにより、顧客は自分の個性を反映させることができます。例えば、可愛いデザインや好きなキャラクターとのコラボレーション商品など、顧客が商品を手に取ることで感情的な満足を得ることができます。このような情緒的価値や自己表現できる価値が、顧客の購買意欲を引き起こす要因となります。

最後に、社会的要素は、近年ますます重要視されているSDGs(持続可能な開発目標)などの社会的価値観に関連しています。現在、私たちは大量生産・消費が地球環境に与える影響を深刻に認識しています。そのため、商品の選択において社会的価値観(例えば、エコやサステナブルな要素)が消費者の行動に影響を与えるようになっています。環境に配慮した素材を使用した商品や、社会貢献活動に参加しているブランドは、顧客にとって強い購買動機となります。

このように、商品の購入を決定する要素は単なる機能や価格だけではなく、情緒的価値、自己表現の欲求、そして社会的責任感が含まれており、これらすべてが顧客の意思決定に影響を与えています。

また、商品ページからカート追加に至るかを決めるためには、どのように商品の機能や顧客のニーズに応じて適切に伝えることも肝要です。例えば、有形商材では、商品の詳細な画像や使用する時の動画を掲載することが効果的です。無形商材では、実際の使用例や事例を紹介すると良いでしょう。また、高額商材については、値段や機能より、感情や価値観に関する内容をアピールすることが効果的でしょう。

質問5:買い物かごに商品を入れたのに注文ができない理由とは?

ECサイトでカートに商品を入れたものの、購入まで至らず離脱してしまうことを「カゴ落ち」と言います。カートに商品を追加した後、決済完了までのプロセスがスムーズであることは、ECサイトの購入体験において非常に重要です。

もし決済の途中でユーザーが迷ったり、手間取ったりするようなことがあれば、購入の途中で離脱してしまう可能性が高くなります。そのため、決済プロセスをできるだけシンプルで直感的にすることが求められます。

まず、決済画面がわかりやすく、入力項目が最小限であることが大切です。顧客は余計な情報を求められたり、何度も確認画面を進めたりすることに煩わしさを感じることがあります。住所自動機能のようにユーザーが手間をかけずに入力できる仕組みを整えましょう!

また、支払い方法を多様に用意することで、顧客のニーズに合わせた選択肢を提供することが重要です。例えば、クレジットカード、デビットカード、コンビニ払い、オンライン決済など複数の方法を揃えることで、顧客は自身の都合に合った決済手段を選べ、購入率の向上につながります。

決済が完了した後には、確認の画面やメールでの通知を迅速に行うことも、安心感を与える重要なポイントです。顧客が注文内容を確認し、支払いが正しく完了したことを確認できるようにすることで、購入後の不安を解消できます。

このように、カートに商品を追加した後から決済完了までの流れがスムーズであることは、顧客の購入体験を向上させ、離脱を防ぐために欠かせません。

質問6:新規顧客が再購入しましたか?リピーターの購入頻度や金額を把握していますか?

この質問は第1問のアップバージョンです。集客やECサイトのUX改善の一連の施策を行った後、すべての結果とステップを振り返りましょう!

前述したように、新規顧客を獲得するにはリピーターを獲得するよりも5倍の労力とコストがかかると言われています。せっかく獲得した新規顧客をいかに効果的にリピーターに転換するかは非常に重要なポイントです。繰り返しになりますが、それも業界や会社によって異なります。例えば、家具や家電などの商品は数十年に一度購入することが一般的ですが、食品や日用品は定期的に購入する必要があります。

まず、新規顧客が再購入したかどうかを把握することで、商品の魅力やサービスの質が顧客にどれほど影響を与えているのかがわかります。新規顧客がリピーターに変わるプロセスの中で、どの施策がどのタイミングで再購入に効果的だったのかを分析することができます。例えば、購入後のフォローアップメールやメッセージカードの梱包などが、再購入を促進する要因になることがあります。

次に、リピーターの購入頻度や金額を把握することによって、顧客のロイヤルティや購買力を評価することができます。彼らの購買傾向を理解することで、次のキャンペーンやプロモーションをより効果的に設計できます。また、購入金額が高いリピーターに対しては、特別な特典や限定商品を提供するなど、顧客単価を向上させるための戦略も検討したほうがいいでしょう。

受注メール、発送メール、商品到達(梱包)の各ステップは、顧客満足度を高める重要な要素です。受注後すぐに確認のメールを送ることで、顧客は安心感を得られます。発送メールでは、配送状況を明確に伝えることで、顧客が商品を待つ間の不安を軽減します。さらに、丁寧に梱包された商品や手書きのメッセージカードを添えることで、購入後の満足度が向上し、リピーター獲得にもつながります。

売上を向上させるためには、単に「受注件数」や「売上金額」という数字に注目するのではなく、「顧客はどんな悩みがあり、何を求めているのか」、その人のライフスタイルや価値観など、人物像を理解することが重要です。

数字によるデータ分析も方程式・マーケティングに関するフレームワーク・理論も、課題を解決するための手段に過ぎません。具体的には、顧客が初めて商品を認識する瞬間から、ECサイトに訪れて購入手続きを行い、最終的に商品を受け取って使用するまでの全体的な体験に注目するべきです。このプロセス全体を通じて、顧客の満足度を高め、再購入を促進することが求められます。

上記の6つの質問を通じて、今すぐ着手すべき部分が明確になったと思います。筆者は、左から右へ一つ一つをチェックすることをおすすめします。なぜなら、目標として「購入」に近づくほど、改善の効果が大きいからです。最後に、ECサイトの売上を伸ばすため、ビジネス本質を見失わないために押さえておくべき4つのポイントをお伝えします。

ビジネスの本質を見極め、成功へ導くための4つの鍵

先ほどもお伝えしたように、売上を向上させるために最も重要なのは、顧客の本質的なニーズに注目し、彼らが求めているサービスや商品を提供することです。では、ECサイト制作や運営支援サービスを提供する企業や発注側の企業がこの目標を達成するために、どのような点に意識するべきでしょうか?以下の4つのポイントを見ていきましょう!

POINT1:成果を生み出す「判断力」と「行動力」
POINT2:自社独自の「売れる仕組み」を構築する
POINT3:ECサイトの開設・運営の本質は「顧客体験」を創造すること
POINT4:顧客起点でビジネスを成長させよう

成果を生み出す「判断力」と「行動力」

社外の制作会社、広告代理店、コンサルティング会社と連携する際や、社内で意見を交わす時には、さまざまなアイデアが出てきます。アドバイスを積極的に受け入れることもあれば、自分の考えを貫くこともあります。このような状況で最も重要なのは、状況を正確に把握し、最適な意思決定を行う「判断力」です。努力しても成果が出ないときは、単に「努力の量」を増やすのではなく、「努力の方向性」に焦点を当てることが大切です。

また、行動力は企業の目標達成に向けて動き出す原動力です。行動しなければ何も変わりません。判断力と行動力はどちらか一方だけでは不十分です。優れた判断力があっても、それを実行に移す行動力がなければ、計画は単なるアイデアに過ぎません。逆に、行動力があっても判断力に欠けていると、無駄な努力や失敗を引き起こす可能性があります。この二つをバランスよく活かすことが、成果を生み出すために不可欠です。

さらに重要なのは、行動した後に振り返りを行うことです。行動力を持って実行に移した後、その結果を評価し、改善点を見つけることが大切です。このフィードバックループを繰り返すことで、より良い成果を生み出し続けることができます。改善を重ねることで、判断力と行動力はさらに洗練され、ECサイトの成長へとつながります。

自社独自の「売れる仕組み」を構築する

他社が成功したマーケティング手法や販売戦略をそのまま模倣するだけでは、差別化を図ることは難しいです。また、この記事も過去の経験となり、一種の考え方に過ぎません。最も重要なのは、自社に合った「売れる仕組み」を構築することです。

「売れる仕組み」を作ることは、単にECサイトを開設・運営することにとどまらず、ブランド価値の明確化、物流配送、カスタマーサポートなど、社内外の全体が協力し合い、顧客に一貫した価値を提供できる体制を作り上げることが求められます。ECサイトを開設したからといってすぐに利益が上がるわけではありません。成功を収めるためには、時間や労力を投入しつつ、一つひとつの改善を着実に積み重ねていくことが大切です。

ECサイトの開設・運営の本質は「顧客体験」を創造すること

ECサイトの開設・運営はビジネスの一環に過ぎません。その本質は「顧客体験」を創造することです。顧客は単に商品を購入するのではなく、その購買を通じて感情的・心理的な満足感を得ています。この体験を提供するためには、サイトデザインやユーザビリティの向上だけでなく、配送、アフターサポート、顧客との関係構築といったあらゆる接点で優れた体験を提供することが重要です。

さらに、視野をECサイトだけに限定せず、実店舗との統合的なマーケティングも考慮することが有効です。近年では、OMO(Online Merges with Offline)という概念が注目されており、実店舗での購入とオンラインショップでの特典を組み合わせることで、顧客の体験をさらに豊かにし、ブランド力も向上させます。

「顧客起点」でビジネスを成長させよう

ビジネスを成長させるために最も重要なのは「顧客の視点」を持つことです。顧客のニーズや期待に応えられるかが、企業の成功を決めます。顧客起点で成長を目指すためには、目の前の利益だけでなく中長期的な視点を持ち、以下のポイントを意識して取り組むことが大切です。

1.顧客のニーズを理解する
ビジネスの成長には、顧客が何を求めているのかを正確に把握することが不可欠です。市場調査や顧客インタビューを通じて、顧客の問題や期待に応える商品やサービスを提供します。

2.顧客体験を重視する
商品やサービスを提供するだけでは不十分です。顧客が商品に触れた瞬間から購入、配送、アフターサービスに至るまで、すべての接点で優れた顧客体験を提供することが、顧客満足度とロイヤルティを向上させます。

3.顧客のフィードバックを活用する
顧客からのフィードバックは貴重な情報源です。アンケートやレビュー、SNSのコメントを収集し、サービスや商品を改善することで、顧客満足度やブランド信頼度が高まります。

4.顧客志向の文化を全社で共有する
顧客を第一に考える文化を全社員で共有することが前提です。顧客対応を担当するスタッフだけでなく、マーケティング、商品開発、物流など、全ての部署が連携して顧客の視点で仕事を進めることが企業の成長につながります。

当社のECサイト制作・運営事例とサービス紹介

「ECサイトの売上を伸ばす実践ガイド」の全体内容をお伝えしました。上記のステップと考え方を実践すれば、きっとネットショップの売上向上に繋がると信じています!

最後に、弊社のECサイト制作・運営事例とサービスについて簡単にご紹介させていただきます。もし御社が人手不足であったり、高品質なデザインが必要な場合は、ぜひご覧ください!

代表的なECサイト運営事例と成果一覧

当社では、さまざまな業界・業種のお客様に対して、ECサイトの開設から運営、集客、売上アップに至るまで一貫したサポートを行っています。これまでの運営実績に基づく成功事例をいくつかご紹介いたします。

業種 提供サービス 成果
Y社 食品業
お菓子系
・楽天市場の運営・更新
・定例報告会
・売上金額は11%増加
・転換率は17%改善
N社 医療業 ・LP制作
・Google広告運用代行
Google広告のコンバージョン数は228.57%増加
K社 食品業
農産加工品
・自社ECサイト構築(makeshop)
・Google広告運用代行
・前年比売上は3倍以上増加
・購入率は233.3%改善
G社 サービス業 ・自社ECサイト構築(Shopify)
・Google広告運用代行
・アクセス解析
・売上は約10倍に増加
・客単価は約311.3%改善
H社 食品業
和食系
・自社ECサイト構築(ショップサーブ)
・Google広告運用代行
・年間売上が2年連続で約8%成長
・Google広告のコンバージョン率が約231.82%改善

当社の強み:新規顧客の獲得からリピーター創出までトータルサポート

当社の強みについて具体的にご説明いたします。

・月商億超えのクライアントのサイトも8年以上運営しています。
・自社ECサイトや楽天市場などのノウハウもあり、クロスサイトでの並行展開が得意です。
・ECサイト管理の専門チームが在籍しています。
・多種多様な業界・業種におけるSEO対策実績があります。
・Web解析士資格を持ったマーケターが在籍しており、高精度な分析と戦略立案が可能です。

ECサイトの売上や集客に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

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