筆者はボランティア活動中にうっかりスマートフォンを壊してしまいました。いつも友達が運転役、自分がナビ役なので、食事する店を探す時はほんまに大パニック!そのため、翌日にすぐ新しいスマートフォンを購入し、通信会社も乗り換えることにしました。

ちょうど先月、リスティング広告の乗り換え案件がありました。初月の結果は予想通り良かったのですが、乗り換え案件だったため、レポートを送る際にクライアントの理想的な目標に達していなかったらどうしようかと少し不安でした。しかし、最終的に感謝の言葉をいただきました。その時、スマートフォンの通信会社を乗り換えることと、広告代理店を乗り換えることには意外に共通点があると感じました。

今日は、広告代理店を乗り換えるべきかどうかを判断する方法と、広告代理店選びのポイントについてお話しします。もし初めて広告代理店を探しているのであれば、このブログが少しでも参考になり、失敗を避ける手助けになるかもしれません。それでは、一緒にみていきましょう!

リスティング広告代理店乗り換えを検討するタイミング

まず、リスティング広告代理店の乗り換えを検討するタイミングについて説明します。リスティング広告代理店の乗り換えを検討する主なタイミングは、以下の2点です。

・期待していた効果が得られなかった
・コミュニケーションに問題があり、信用できない

 
1つ目は「期待していた効果が得られなかった場合」です。
広告を出す目的には認知度の向上や売上の増加などがありますが、最も重要なのは「会社の収益に貢献すること」です。広告費は投資と同じで、投入した資金が期待通りの成果を上げなければ、別の選択肢を探すことになります。もし広告の費用対効果が合わないと感じた場合、他の代理店に乗り換えるのは自然な判断と言えます。

2つ目は「コミュニケーションや運用の透明性に問題があり、信用できない場合」です。
例えば、報告が遅れたり、説明が不十分だったりする場合、広告運用に対する信頼が失われます。このような不信感が生じた場合、乗り換えを検討するタイミングになりますよね。

広告代理店乗り換えのメリットとデメリット

筆者が新しいスマートフォンと通信会社に乗り換えた際、新しいスマートフォンの機能に期待しながらも、使い方の調べたり、データ転送を行ったりすることに時間がかかりました。また、新しい通信会社との契約では、書類を提出する必要があります。

例えば、長年Apple製品を使っていた場合、急にAndroidに変えると、どうしても使い勝手に違和感を感じ、最終的に再度Apple製品を購入する人もいます。リスティング広告代理店の乗り換えも同様で、メリットとデメリットがあります。乗り換えがうまくいくように、広告代理店乗り換えのメリットとデメリットを説明したいと思います。

広告代理店乗り換えのメリット


広告代理店乗り換えのメリットは主に以下3点があります。

・費用対効果の改善と広告の効果を最大化
・専門的な知識と新しい視点
・コミュニケーションの改善

 
新しい代理店に乗り換えることで、より効果的な広告運用が期待できます。特に、前の代理店で期待した結果が得られなかった場合、他の代理店では費用対効果が良くなる可能性があります。

また、信頼性の高い代理店に乗り換えることで、レポート提出の頻度や提案会議の実施についても相談が可能になります。迅速かつ丁寧な対応に加え、日々の要望にも柔軟に応じてもらえるため、これまでの不信感が解消され、よりスムーズな連携が期待できます。

さらに、異なる代理店に依頼することで、専門的な知識を活かしたターゲットに合った広告戦略や、新しい視点での改善提案を受けられることがあります。これにより、広告運用の質が向上することも可能でしょう。

広告代理店乗り換えのデメリット


広告代理店の乗り換えにも欠点はあります。主な欠点は以下の通りです。

・移行にかかる時間と手間
・効果が不確実
・過去データが活用できないことがある
・契約や料金体系の変更

 
広告代理店を乗り換える際には、いくつかの注意点があります。スマートフォンと通信会社の変更と同じです。
既存の広告アカウントを新しい代理店に引き継ぐ作業や、新しい戦略の立案が必要になるため、初期段階では時間と労力がかります。

また、新しい代理店が必ずしも自社に最適な広告運用を提供できるとは限りません。乗り換え直後は成果が安定するまで時間がかかり、結果がすぐに現れないこともあります。

さらに、過去の広告運用データが新しい代理店に引き継がれない場合があり、これまでのデータを活用できないことがあります。加えて、乗り換えに伴う契約や料金体系の見直しがあり、新しい代理店と契約する際には手数料や料金が変更されることもあります。これらは予算に影響を与える可能性があるため、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。

広告代理店の乗り換えには、改善の可能性や新しい視点を得られるメリットがありますが、移行に伴う手間や効果が安定するまでの不確実性もあります。そのため、乗り換えを検討する際は、十分にリサーチを行い、契約条件や料金体系を確認することが重要です。次に、広告代理店の乗り換えの流れと具体的なステップについて説明します。

乗り換えの流れと具体的なステップ

リスティング広告の乗り換えの流れは、まず事前準備で課題を整理し、目標を設定します。その後、複数の代理店から提案を受けて最適な代理店を選定し、最後に契約を解除し、新規契約を行います。

STEP 1: 事前準備

リスティング広告の乗り換えを成功させるためには、まず事前準備が重要です。このステップで整理すべき内容は、以下の3つです。

➊ 現状整理
成果に対する不満や改善したい点については、具体的に伝えることが大切です。
例えば、リスティング広告の場合は「自社の会社名を除外してほしい」、ディスプレイ広告の場合は「○○系のウェブサイトには掲載しない」といった要望がよくあります。自社にとって必ず避けたい問題やリスク(いわゆる「自社の地雷」)を明確に伝えることで、広告代理店もその点に注意を払い、無駄なトラブルを防ぐことができます。

➋ 目標設定
具体的な目標を事前に把握し、新しい広告代理店に伝えましょう。
例えば、「広告費の削減」「コンバージョン数の増加」「新規顧客の獲得」などの目標がよく挙げられます。具体的には、「CPAを3000円以下に抑えたい」といった数値を提示し、どの程度の改善を期待するかを明確にしておくことが大切です。広告代理店は、この目標に対して達成の可能性や予想される期間を判断し、難しい点があれば適切な解決策を提案してくれます。

➌ データ準備
これまでの広告データやレポートを整理しておきましょう。
一部の広告レポートを新しい代理店に渡すことで、効果的な提案が受けられるだけでなく、アカウント設定時に無駄なコストを削減することにもつながります。

STEP 2: 選定~決定

この段階では、複数の広告代理店から提案を受け、最適な一社を選びます。

➊広告代理店のリサーチ
まずは候補となる代理店をリストアップします。
インターネットで評判を調べたり、他の企業の事例を参考にしたりして、信頼できる代理店を選びましょう。「適切な広告代理店の選び方と失敗しないためのポイント」については、別の記事で紹介しますので、ここでは割愛します。

➋候補となる広告代理店に問い合わせ、提案書を受け取る
まず、複数の広告代理店に問い合わせをし、それぞれから提案書を受け取りましょう。
この際、広告運用の方針や費用だけでなく、具体的な改善策やサポート体制についてもしっかり確認することが重要です。代理店の提案が自社の目標にどれだけ合致しているかを見極め、目標達成に向けた具体的なアクションプランが含まれているかも確認してください!

【ヒアリングと提案ミーティング】
一般的に、広告代理店は提案書の提出前に簡単なヒアリングを行い、その内容をもとに提案書を作成します。また、提案書の内容、具体的な進め方、会社の強みを説明するミーティングが行われます。このミーティングは、代理店の運用スキルや対応力を確認するための大切な機会であるため、不安な点があれば、その場で依頼先の広告代理店に直接質問しましょう。

➌最終決定
複数候補の広告代理店の中から、最も信頼でき、要望に合った代理店を選びます。
契約前に料金や内容をしっかり確認し、条件に合意しましょう!

STEP3:解約+新規契約手続き

最適な広告代理店を決定したら、現在契約している代理店に連絡し、選んだ代理店と新たに契約を結びます。

➊契約中の会社に確認し、解約通知を送る
まずは、現在契約している広告代理店との契約解約手続きを確認しましょう。
契約時に解約手数料がかかるか、解約の連絡を何日前にする必要があるかなど、最初に説明があったはずです。
もし忘れてしまった場合は、再度確認した方が無難でしょう。一般的に、広告には最低契約期間はなく、いつでも広告を開始・停止することができるので、それを心配する必要はないと思います。ただし、広告の停止日については現在の代理店にしっかりと伝えないと、広告費や運用代行費が引き続き発生する可能性がありますので、ご注意ください。

➋新規契約を締結する
広告代理店と契約を結んだら、具体的な広告施策を一緒に練り上げていきましょう。
例えば、契約内容や料金、支払い方法、広告配信日などを再確認し、必要な書類があれば準備して提出してください。基本的は、広告代理店が詳細を確認して進めてくれますが、すべてを任せきりにするのではなく、自分でも確認しながら進めることが大切です。それについての詳しい内容は、以下の記事をご覧ください。

Web広告代理店に依頼時に伝えるべき12のポイント

※移行準備:一般的に、新しい広告代理店は新しいアカウントを開設しますが、場合によっては、既存の広告アカウントを引き継ぐことも可能です。自社の広告アカウントを引き続き使用したい場合は、事前に広告代理店に相談してください。代理店は移行の経験が豊富なので、具体的な引き継ぎ方法を提案してくれます。

るーぷのリスティング広告の乗り換え対応方法

次に、乗り換え案件に対する弊社の対応方法について簡単にご紹介いたします。

まず、乗り換えを検討する企業(広告主)様の悩みや目標、ビジネスモデルについてヒアリングを行います。その後、Google広告アカウントの閲覧権限をいただけるかどうかに応じて、以下の2つの対応方法をご提案いたします。

方法1:Google広告アカウントの閲覧権限を付与いただける場合 ⇒ 無料診断の提案書を提出
Google広告のアカウントの閲覧権限をいただける場合、3営業日以内に無料診断の提案書を作成し、提出いたします。この提案書は広告運用担当者が作成するため、診断内容と実際の運用方針にズレが生じることは発生しません。提案書と費用にご納得いただけましたら、契約を締結します。その後は、具体的なリスティング広告の施策内容や双方のタスクを明確にし、広告配信開始までのスケジュールを立てます。

方法2:Google広告アカウントの閲覧権限を付与いただけない場合 ⇒ 過去の一部レポートをもとに提案書を提出
ノウハウの流出を防ぐ観点から、代理店が開設したアカウントの閲覧権限を外部の企業に付与しないことは一般的です。そのため、方法1は、インハウスでリスティング広告を運用している企業(広告主)様によく利用される手法となります。閲覧権限をいただけない場合には、過去の広告レポートをご提供いただき、その内容をもとにご提案いたします。例えば、検索クエリレポートを活用した広告費削減や改善点のご提案が可能です。

リスティング広告の乗り換えの事例紹介

冒頭で触れたリスティング広告の乗り換えを行ったクライアント様に関する主な問題と、弊社が実施した対策について簡単にご紹介します。

問題点 重要度 結果 対策
コンバージョン トラッキングを行ってなかった 非常に高い 機械学習機能が活用されない コンバージョン測定タグを行う
キャンペーンと広告グループの関係は整理されてなかった 高い データが分散してしまう MECEの構造に変更する
入札戦略を正しく設定してなかった 高い コンバージョン率が低い 入札戦略を見直す
適切な遷移先(URL)を設定されていなかった やや高い 購入率の低下 キーワードごとにURLを設定する
広告文の訴求力が弱い やや低い クリック率が業界平均より低い 広告文を再作成する
キーワードの除外設定ほとんどやってない 低い 無駄なコストが発生 除外設定を徹底する

 
クライアントの広告アカウントの閲覧権限を取得後、広告の構成やキーワード、遷移先などの詳細まで分析しました。表に示されているように、最も大きな課題は広告計測タグが導入されていないことでした。このため、広告のAIや自動化機能を十分に活用できませんでした。さらに、広告費をかけているにもかかわらず、その費用がどれだけの成果を生んだのか、売上や問い合わせの状況が不明なことは、クライアント様にとって非常に不安です。

また、広告構成にも問題があり、基本的なキーワード除外設定が行われていなかったため、無駄なコストが発生していました。このままアカウントを改善し続けるよりも時間がかかると判断し、Google広告のプロモーションコードを活用するため、既存のアカウントを放棄し、新しいアカウントを開設して再配信を行いました。その結果、広告のクリック率は8.00%から12.96%に約62%改善し、初月でのCPA(顧客獲得単価)2000円以内という目標を達成しました。

まとめ

筆者の機種変更は半日かかりました。リスティング広告の運用代理店を乗り換える場合は、代理店の選定から提案書の取得、決定までに少なくとも2週間ほどかかります。焦って決めてしまうと、失敗するリスクが高くなります。飲食店なら一度失望しても、次回行かないだけで済みますが、広告代理店はそう簡単にはいきません。

優れた広告代理店は、広告費の効果を最大化するだけでなく、Webマーケティングやビジネスにおいても価値ある提案をしてくれます。広告代理店の運用能力や対応力をしっかり確認し、慎重に選ぶことが大切です。以上の内容が、現在お悩みの皆様にとって少しでも参考になれば幸いです。

当社はGoogle広告やYahoo!広告の正規代理店です。Google広告の公式認定資格を持つ担当者が直接対応します。インターネット広告を始めたいが、何から手を付ければいいかわからない、費用対効果を改善したい、代理店の乗り換えを検討している方、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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