今回の記事は、薬局業の課題や動向を踏まえて、他社と差別化できるホームページ制作に必要なコンテンツとおしゃれなデザイン事例をご紹介していきます。
・ホームページ制作・リニューアルを検討している薬局の経営者・WEB担当の方
・薬局業界を把握したいホームページ作成を担当するサイト制作会社の方
ぜひご参考ください。

薬局の種類と薬局業界の現状・今後の動向

薬局のホームページ制作を考える前に、まずは薬局の種類や業界の現状について知っておくことが重要です。

➊ 薬局の種類

薬局は、薬剤師が薬の調剤を行い、販売または授与をする店舗・施設です。
薬局には、「保険調剤(処方箋)を取り扱う薬局」「保険調剤(処方箋)を受け付けていない薬局」の2種類があります。

保険調剤を取り扱える薬局のことを一般的に調剤薬局(保険薬局)と呼んでいます。
町でよく見かける「保険薬局」や「処方箋受付」の看板やのぼりを立てている薬局はこれです。
保険薬局は健康保険の療養の給付の一環として、患者は原則3割の自己負担で薬の提供を受けられます。

保険調剤(処方箋)を受け付けていない薬局は、薬剤師が患者の体質や症状を聞いたうえで、薬を販売しますが、健康保険適用外のため薬代は全額自己(患者)負担となります。

種類
保険調剤(処方箋)を取り扱う薬局 調剤薬局(保険薬局)
保険調剤(処方箋)を受け付けていない薬局 漢方薬局や零売薬局、ドラッグストアなど

しかし、漢方薬局や零売薬局の中にも保険調剤(処方箋)を受け付けている薬局はあります。
また、最近では、ドラッグストアの店舗に調剤室が設けられる「調剤併設ドラッグストア」と呼ばれる形態も増えてきましたので、保険薬局や漢方薬局、零売薬局はそれぞれ薬局で提供しているサービスを表す言葉と考えれば分かりやすいでしょう。

出典:調剤薬局とは? 分業形態や仕事の流れ、資格、給料について解説

➋ 薬局業界の現状と動向

なの花薬局様の記事『薬局業界の現状や今後の動向について知ろう!』がとても参考になります。
抜粋して以下の通りまとめました。

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今後の業界動向
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課題1:調剤報酬額が年々厳しく改定されているため、苦しい経営状況になっている薬局も少ない。
課題2:慢性的な薬剤師不足、大多数の中小の薬局は薬剤師の確保に苦戦している。
課題3:薬局の後継者不足のため、薬局を閉めるなどの決断を迫られている経営者もいる。
課題4:薬剤師が「対人業務」にシフトし、より多様な業務が求められる。
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今後の業界動向
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動向1:薬局の数は確実に減っていく
動向2:在宅医療がより重要な役割に
動向3:オンライン服薬指導がもっと身近に
動向4:大手薬局チェーンによる寡占化が進む
動向5:ドラッグストアの調剤併設が当たり前の時代に

 

出典:薬局業界の現状や今後の動向について知ろう!
薬局はそれぞれが抱えている課題は違いますが、今後薬局の数が減っていく状況において、時代に淘汰されないよう・患者に選ばれるように、他社と差別化戦略をとる必要があるでしょう。

薬局に求める役割とは?『薬局の利用に関する世論調査』

差別化戦略を行う前に、まずは顧客のニーズを正しく把握しないといけません。
患者が薬局に求める役割を解説していきます。
令和2年10月に内閣府が行った『薬局の利用に関する世論調査』を参考に、下記の5つのポイントをピックアップしました。

POINT1:薬局/薬剤師への相談内容については、「病院や診療所で処方された薬」の割合は49.1%
※「薬の飲み合わせについて」を挙げた者の割合は町村で高くなっている
POINT2:薬局を一つに、薬剤師を一人に決めているかについては、「病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く」の割合は57.7%
POINT3:かかりつけ薬剤師・薬局を決めた理由については、「信頼できる薬剤師であるため」の割合は49.7%
POINT4:かかりつけ薬剤師を決めていない理由については、「かかりつけ薬剤師を決める利点がわからないため」の割合は24.6%
POINT5:健康サポート薬局の認知度については、「知らなかった」の割合は91.4%

 

要するに、患者さんは薬局を選ぶ際に、地域と専門性が重要な要素となっていることと、「かかりつけ薬剤師・薬局」や「健康サポート薬局」などに対する認知度はまだ低いことが分かりました。
小規模薬局の経営は厳しい状況にありますが、患者のニーズに応じたサポートが提供できれば地域住民からの支持を得られるでしょう。
出典:内閣府|薬局の利用に関する世論調査

薬局ホームページに必要なコンテンツ

エリアマーケティングや独自サービスの提供などを通じて他店との差別化を図るため、名刺代わりのホームページ制作は不可欠です。
ホームページ作成の目的や、重視するコンテンツも企業様によって異なります。

サイトを作成する前に、自社の強みやサイトの目的を明確にしないと、何を掲載すべきなのかわからないサイトとなってしまいます。
また、複数のサービスを提供する場合、優先順位を付けて情報をうまく整理することは非常に重要です。
次は、薬局ホームページに必要なコンテンツを紹介します。

➊ サービス内容

前述した『薬局の利用に関する世論調査』によると、人々は「かかりつけ薬剤師・薬局」や「健康サポート薬局」などに対する認知度はまだ低いです。
ホームページは24時間閲覧することができる場所です。
まず、自社が提供するサービスをホームページに詳しく記載しましょう。例えば、在宅医療、市販薬・健康食品の販売、栄養相談など。

画像出所:中山薬局
画像出所:協和ケミカル株式会社

➋ 店舗案内(アクセス方法、営業日・営業時間など)

店舗案内は、薬局ホームページの重要な要素です。
テキストだけでなく写真を掲載すると、薬局のイメージがつきやすく、安心して行くことができるでしょう!

画像出所:自分薬局
画像出所:ひまわり薬局・パイン薬局

また、新規顧客の来店数を増やすため、薬局の概要や営業時間、診療時間、休診日、アクセス方法や地図を記載しましょう。
Googleマップやイラストマップを併記することもおすすめです。
最寄りの駅はどこなのか、所要時間はどのくらいかを記載しておくと、より安心感や信頼感を与えられます。

画像出所:菊岡漢方薬局
画像出所:中山薬局

➌ 会社概要(使命、ビジョン、沿革など)

会社概要ページは自社のことを知ってもらうためには欠かせない内容です。
薬局(会社)の概要や使命、ビジョン、提供する価値について簡潔に紹介しましょう。
会社の信頼性を高め、見込み客の獲得に繋げていく役割をはたします。

画像出所:自分薬局
画像出所:笹川薬局

➍ 採用情報

前述した通り、大多数の中小の薬局は薬剤師の確保に苦戦していることがわかりました。
ホームページに採用情報を掲載すると、応募者の増加が見込まれます。

画像出所:なの花薬局
画像出所:株式会社エスマイル

➎ お問い合わせやLINEの活用、オンライン処方箋予約機能

業務負担やコストを減らして効率化を図るためには、ICT活用が重要です。
例えば、処方箋をオンラインでやり取りすることで人の出入りを最小限に抑えられ、新型コロナウイルスの感染防止につながります。
予約システムの導入が難しい場合は、最低限のお問い合わせフォームを設置しておきましょう!

画像出所:笹川薬局
画像出所:なの花薬局

おすすめの薬局ホームページのデザイン(事例紹介)

ここでは、お手本にしたい薬局のホームページをご紹介していきます。

事例1:関西に展開する保険薬局グループひまわり薬局・パイン薬局(弊社実績)


画像出所:ひまわり薬局・パイン薬局
◆ POINT ◆
ひまわり薬局・パイン薬局は服薬指導や薬歴管理などのお薬のことだけでなく、健康相談もできる薬局です。
白をベースに明るいオレンジや黄色などが使用されており、元気で明るいイメージを覚えます。
「処方せん」と「くすり」という大きな文字は薬局のサービス内容をわかりやすく伝えています。
可愛いキャラクターは親近感を与えることによって、良い印象が形成され、認知度も上がっていくでしょう。
ご挨拶、企業理念、取り組み、採用情報、店舗一覧などの情報は、トップページにバランスよくまとめております。
サイトの訪問者にとって情報が探しやすいホームページです。

事例2:中国地方トップクラスの店舗展開|株式会社エスマイル


画像出所:株式会社エスマイル
◆ POINT ◆
中国地方で120店舗以上展開している調剤薬局「株式会社エスマイル」のホームページを紹介します。
株式会社エスマイルのホームページはおしゃれというよりは、シンプルなホームページになります。
あえてずらしたようなデザインなどはなく、落ち着いた雰囲気を演出しており、見る人に安心と信頼を抱かせます。
白をベースに安心感やリラックス感を与える緑のカラーが合わさっています。
目を引きやすいゴシック体と明度の高い写真を使用することで、清潔感あふれる印象を与えてくれるでしょう。
また、ファーストビューには医療スタッフと患者がやり取りしている写真が多く掲載され、安心感と温もりが感じられます。

事例3:奈良県を中心に8店舗を展開する自分薬局


画像出所:自分薬局
◆ POINT ◆
自分薬局は奈良市と大和郡山市を中心に8店舗を展開する地域密着型の薬局です。
ファーストビューの明るい店舗の写真と充分な余白は、開放感や安心感を伝えています。
ウエルネスに基づく地域の活動の紹介やおしゃれな店内写真を掲載することで、
少しでも落ち着いてお話していただけるカフェのように、居心地が良い空間を感じられます。
また、前述した『薬局の利用に関する世論調査』によると、かかりつけ薬剤師・薬局を決めた理由に関して「信頼できる薬剤師であるため」が49.7%で一番高いです。
ホームページの薬局・スタッフ(薬剤師)紹介は、来店されるお客様の薬局や薬剤師に対する信頼性を高めることができるでしょう。
地域の皆様に親しまれ居心地の良い薬局を目指すなら、自分薬局のホームページがとても参考になります。

事例4:全国440店舗以上の「地域薬局」を展開しているなの花薬局


画像出所:なの花薬局
◆ POINT ◆
清潔感あふれる優しい雰囲気のあるデザインや元気溢れるオレンジ色を採用したなの花薬局様のホームページを紹介します。
親しみのあるエネルギッシュなオレンジ色を使用することで、来店されるお客様も、求職者も気分が明るくなるでしょう。
店舗検索、薬局の機能などのサービス情報だけでなく、薬学生の皆様に役立つ情報もたくさん掲載されています。
すべてのメニュー項目を表示すると同時に、頻繁に使用するメニュー項目が優先的に表示されます。
ユーザーにとって自分が今必要としている情報に最短でたどり着きやすくなります。
利便性にも優れたホームページを作成するなら、なの花薬局様を参考にするのもよいでしょう。

事例5:奈良県で800年の歴史ある地域密着漢方薬局|菊岡漢方薬局


画像出所:菊岡漢方薬局
◆ POINT ◆
奈良県の菊岡漢方薬局は平安時代末から漢方薬を扱ってきました。
菊岡漢方薬局のホームページのファーストビューには、歴史を感じられる白黒の写真を掲載しています。
地域に密着した伝統的な薬局であるというイメージをユーザーに印象付けています。
色のトーンを合わせて黒味がかった深い紫色を使うことで、より「歴史が長い漢方薬の奥深さ」を引き立てています。
※深紫色の由来:紫草の根を何度も繰り返し染めることでこの色は染められました。
トップページの真ん中の「お知らせ情報」と「メディア情報」では、新しい商品やメディアの情報を発信しています。
古き良き伝統がわかるデザイン、そしてブログのような現代的コンテンツをうまく取り入れた事例です。

最後に

本記事では薬局業に焦点を当てて、ホームページに掲載する基本的なコンテンツと、おすすめのホームページを紹介しました。
ホームページを新規制作したい、既存ホームページが古くなったのでリニューアルしたいと考えている薬局業界の経営者やWEB担当の方もいらっしゃるかと思います。
弊社はお客様が抱えている課題に合わせて最適なホームページをご提案させていただきます。
ホームページ制作・リニューアルを検討している方は是非お問い合わせください!

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