近年、AI技術の進化により、画像生成ツールがますます注目を集めています。その中でも「Adobe Firefly」(アドビ ファイアフライ)は、Adobeが提供する画像生成AIとして、クリエイティブ業界で注目を浴びています。
適切な素材が見つからない場合に、Adobe Fireflyで生成した画像は商用利用が可能なため、非常に役立ちます。本記事では、Adobe Fireflyの特徴や具体的な活用方法と事例をご紹介します。
目次
Adobe Fireflyとは
Fireflyは、生成AI技術を活用した画像コンテンツ作成機能です。スタンドアロンのwebサイト(firefly.adobe.com)で利用できます。Fireflyでは、日常的な言葉と簡単なテキスト入力で、生成AIによる優れた出力を生成できます。
引用先:Adobe Fireflyの紹介
画像引用元:Adobe Firefly – クリエイティブのための生成AI
Adobe Fireflyの特徴
Adobe Fireflyの活用する特徴は以下の4つです。
◎ Adobeツールとのスムーズな連携
◎ 直感的なインターフェース
◎ 日本語を含む100以上の言語に対応
商用利用可能な画像生成
Fireflyで生成された画像は商用利用が許可されており、著作権やライセンスの問題を気にすることなく、広告、商品デザイン、Webコンテンツなどで使用できます。
一般的な画像生成AIツールでは、生成されたコンテンツに著作権が存在する場合があり、商用利用には追加のライセンスが必要なこともあります。しかし、Adobe Fireflyは商用利用においても安心して活用できるため、コンテンツ作成の際に、第三者の著作権に関わるリスクを減らし、効率よくプロジェクトを進めることができます。
Adobeツールとのスムーズな連携
Adobe Fireflyは、PhotoshopやIllustratorなど、他のAdobe製品とのシームレスな連携が可能です。これにより、Fireflyで生成した画像を簡単に他のデザインプロジェクトに組み込むことができます。
例えば、Fireflyで生成した画像をPhotoshopで編集したり、Illustratorでさらにグラフィックを追加したりすることができます。この連携により、複数のツールを使いこなすことで、デザインワークフローが効率化され、時間と手間を節約できます。
画像引用元:Adobe Firefly – クリエイティブのための生成AI
直感的なインターフェース
Adobe Fireflyは、デザイン初心者や、AIツールに不慣れなユーザーでも、テキストや簡単な指示を入力することで、希望の画像をスムーズに生成できます。例えば、画像のスタイルやテーマ、色味などを指定するだけで、AIがその情報を元に画像を自動生成します。
日本語を含む100以上の言語に対応
現在、Adobe Fireflyは英語や日本語をはじめ、100以上の言語でプロンプト入力が可能です(2024年5月現在)。日本語対応により、日本語を母国語とするユーザーは、複雑な言語の壁を感じることなく、直感的に操作できます。
Adobe Fireflyの機能と使い方
Adobe Fireflyの4つの機能
現在のAdobe Fireflyの機能は、主に以下の4つに分かれています。
機能 | 説明 |
テキストから画像生成 | テキストプロンプトと各種ボタンで画像全体を生成できます。 |
生成塗りつぶし | 画像にオブジェクトを追加したり、画像からオブジェクトを削除したりできます。 |
テキスト効果 | ユニークな装飾的効果でテキストを彩ることができます。 |
生成再配色 | ベクター画像のカラーパターンを様々に試すことができます。 |
引用先:Adobe Fireflyの紹介
Adobe Fireflyの使い方
それでは、「Adobe Firefly」の具体的な事例を説明します。
背景 | クライアントのT社は、写真印刷や写真展用プリントを直接注文できるECサイトを運営しています。 著作権の問題でクライアントの作品を直接使用できません。具体的な作品例がないと、「写真プリント」というサービスのイメージが湧きにくい状況です。 |
生成したい画像と目的 | 画像を生成したい目的は著作権リスクを避けつつ、T社が提供するサービスをユーザーに効果的に認識してもらうことです。 具体的には、写真印刷や写真展用プリントの利用シーンを表現する画像が欲しい。 |
ー テキストから画像を生成
まずは、「写真展」を表現する画像を生成していきましょう!
以下のプロンプトを入力すると
生成画像はこちらです!
左下の写真は全体的な雰囲気が良いですが、展示会の柔らかな照明でリラックス感を出せれば嬉しいです。それでは、「生成塗りつぶし」機能を使ってみます!
ー 生成塗りつぶし
生成塗りつぶし機能は、Adobe Fireflyが画像を解析し、不要な部分を削除したり、新しい要素を追加したりして、元の画像に合った内容を生成してくれます。
画像の取り込みが終わったら、左側に表示されるツールバーから挿入・拡張・削除のいずれかを選ぶことは可能です。
画像の左上の「編集」をクリックし、「生成塗りつぶし」を選択してください。
まず、拡張機能を使用して画像を拡大し、人物よりも個展の雰囲気を強調しました。
次に、左下にある不要な要素を削除し、以下の画像が生成されました。
削除:不要な要素を削除する場合
拡張:画像のサイズを伸ばしたい場合
ー 画像の構成と参照画像との一致
お客様は展示会用写真の印刷サービスだけでなく、スマホやデジカメのプリントサービスも提供しています。同業他社のウェブサイトに掲載されている画像を参考にして、必要な画像を作成することができます。
まず、「テキストから画像生成」機能を使用して、以下のプロンプトを入力してみました。
生成結果はこちらです!
もっと温かい雰囲気を出したいと思い、FUJIFILMプリント&ギフト | 富士フイルムの公式ストア様の写真を参考にさせていただきました。
その構成やスタイルを取り入れて生成した画像がこちらです。
生成画像のサイズや視覚的なバランスの再調整も可能です。さらに手を加えることで、理想的な画像を仕上げることができました!
Fireflyで好みの画像のバリエーションが生成されたら、それをお気に入りとしてマークするか、ダウンロードして、後でアクセスできるようにします。
Adobe Fireflyを活用する際に注意すべき4つのポイント
初めての方もプロデザイナーの方も、思い描いた通りの画像を一度で作成するのは難しい場合があります。そのため、以下の4つの注意点をぜひご確認ください。
◎ 細かい部分を再調整する
◎ Adobe Fireflyの料金・プラン
◎ 追加される新しい機能を活用する
効果的なテキストプロンプトの記述
Adobe Fireflyは、ユーザーが入力したプロンプトに基づいてコンテンツを生成します。そのため、効果的なテキストプロンプトが非常に重要です。公式サイトでは、「具体的に」「説明的に」「オリジナルに」「共感的に」という4つのポイントが挙げられています。プロンプトが不明確だと、期待する結果が得られないことがありますので、細かな指示を心がけましょう。
また、日本語のプロンプトよりも英語の方が精度が高いことがあります。そのため、イメージ通りの画像が生成されない場合は、英語で入力することを検討してみてください。
参考:効果的なテキストプロンプトの記述
細かい部分を再調整する
Adobe Fireflyで画像は必ずしも完璧ではなく、特に詳細や精度が要求されるプロジェクトにおいては品質にばらつきがある可能性があります。Fireflyで生成したコンテンツを使用する前に、十分な検証と調整を行い、最終的な品質に満足できるようにすることが必要です。
例えば、「青空と木々が映る自然な風景」を作成したいとき、木の形が不自然だったり、影の位置が実際の光の方向とずれていることがあります。また、空の色が思ったより暗かったり、全体のバランスに少し違和感を感じることもあります。
このような場合、画像編集ソフトを使って木の形を調整したり、影の位置を修正したりして、より自然な仕上がりに整える必要があります。結果をそのまま使うのではなく、必要に応じて手動で調整することで、期待通りの高品質な画像を完成させることができます。
Adobe Fireflyの料金・プラン
Adobe Fireflyでは、画像生成などの機能を利用する際に「生成クレジット」を消費します。「生成クレジット」は、機能を1回使用するごとに1ポイント消費される仕組みです。また、生成クレジットは毎月リセットされ、繰り越しはできません。
無料プランでも基本的な機能を利用可能ですが、高頻度で使用する場合は有料プランを検討する必要があります。有料プランの詳細については、Adobe公式サイトをご確認ください。
画像引用元:Creative Cloudアプリのプランと価格
追加される新しい機能を活用する
Adobe Fireflyは進化を続けており、新しい機能が定期的に追加されています。最新の機能を活用するためには、公式のアップデート情報やリリースノートを定期的に確認しましょう!
参考:アドビヘルプセンター>Adobe Firefly のラーニングとサポート>新機能>新機能
まとめ
Adobe Fireflyは、デザインの効率化だけでなく、クリエイティブな可能性を広げる強力なツールですよね。この記事のアイキャッチ画像も「Adobe Firefly」で生成したものです!
AI技術の急速な進化により、今では、複雑な撮影技術や絵画スキルを習得せずとも、AIツールを使って自分のアイデアや思いを形にすることができます。例えば、AI動画生成ツールは、簡単なテキストの説明から高品質な動画を作成でき、音楽生成AIはユーザーの要望に基づいてオリジナルの音楽作品を制作することが可能です。ぜひ、AIの力を活用して、新たな創作の世界を広げていきましょう!
この記事が、Adobe Fireflyを使うきっかけになれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!