Google広告は、世界最大級の検索エンジンGoogleが提供するオンライン広告配信プラットフォームです。
Googleアナリティクス(GA4)は、ウェブサイトやアプリのトラフィックとユーザー行動を追跡・分析するためのツールです。 Google広告とGoogleアナリティクスを連携することで、お互いのデータを確認しやすくなり、データを活用することができます。
この記事では、Google広告とGoogleアナリティクスを連携するメリットと活用できる機能を解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
GA4とGoogle広告を連携するメリットとは
GA4とGoogle広告を連携するメリットについて、「広告主(ウェブサイト運営側)」と「広告代理店(運用者)側」から説明していきます。
広告主側(サイト運営側):Google広告の効果を随時把握することができる
インターネット広告の運用には専門知識と経験が必要なので、専業の広告代理店に運用を依頼する企業は多いでしょう。広告代理店によって広告アカウントを公開・共有するルールは異なります。
独自の運用ノウハウを守るため、広告代理店が広告主に広告アカウントを共有しないことは一般的です。運用の透明性を向上させるため、広告データをLooker Studioやスプレッドシートを通じて広告主とリアルタイムで共有する広告代理店が増えてきました。しかし、月1回だけ広告レポートを広告主に提出するやり方も少なくないと思います。
GoogleアナリティクスにGoogle広告アカウントをリンクすることで、広告の配信状況にかかわるデータをGoogleアナリティクス管理画面で確認・分析することが可能になります。広告代理店のレポートを待つ必要がなく、広告主側(サイト運営側)はGA4でウェブサイトデータを分析しながら、広告の効果をいつでも把握できます。
広告代理店側(運用者側):GA4で収集したデータを活用することができる
広告運用担当者にとって、ターゲットユーザーを効率的にウェブページに誘導することは非常に重要です。しかし、「クリック率が高いがコンバージョン率が低い」「コンバージョン率は良いが成約率が低い」などのケースが散見されます。
広告主はGoogle広告アカウントがGA4で収集したウェブサイトに訪れたユーザーのデータを活用して広告のパフォーマンスを向上させることが可能です。また、広告運用担当者はウェブサイトのデータを参照しながら、特定のキーワードに隠れたユーザーの心理や動機を想像して仮説を当てることができます。
GA4とGoogle広告を連携することで活用できる機能
GA4とGoogle広告を連携して活用できる機能を「Google アナリティクス(GA4)」と「Google 広告」に分けて説明していきます。
Google アナリティクス(GA4) | Google 広告 |
➊ 集客レポートで「Google広告キャンペーン」のデータを確認できる ➋ ユーザー獲得レポートで、Google 広告という軸で分析できる ➌ アトリビューション レポートなど、広告セクションで Google 広告キャンペーンのデータを確認できる |
➊ Google アナリティクス(GA4)のオーディエンスデータを使用して、Google 広告のリマーケティングを強化できる ➋ Google アナリティクスのキーイベントに基づいて Google 広告でコンバージョンを作成・参考できる ➌ Google アナリティクス(GA4)の指標をGoogle広告にインポートすることで、Google アナリティクス データを Google 広告レポートに追加する |
参考サイト:[GA4] Google 広告とアナリティクスをリンクする
Google アナリティクス(GA4)で活用できる3つの機能
➊ 集客レポートで「Google広告キャンペーン」のデータを確認できる
▼Google アナリティクス(GA4)の設定画面からの手順▼
「レポート>集客>概要」をクリックし、「Google広告キャンペーンを表示→」が表示されます。「Google広告キャンペーンを表示→」をクリックすると、「Google広告キーボード」や「Google広告クエリ」などを確認することが可能です。
また、これらの指標をGoogle アナリティクス(GA4)側で集計された「セッション」「エンゲージメントのあったセッション数」などの指標と組み合わせて分析することができます
➋ ユーザー獲得レポートで、Google 広告という軸で分析できる
▼Google アナリティクス(GA4)の設定画面からの手順▼
ユーザー獲得レポートは、新規ユーザーがウェブサイトに最初にアクセスした経緯を把握できる詳細レポートです。
「最初のユーザーの Google 広告の広告グループ名」と「最初のユーザーの Google 広告の広告ネットワーク タイプ」という2つのディメンションがあります。
また、トラフィック ソースには「セッション スコープ」と「ユーザー スコープ」で掛け合わせて確認することも可能です。
➌ アトリビューション レポートなど、Google 広告キャンペーンのデータを確認できる
▼Google アナリティクス(GA4)の設定画面からの手順▼
左側の「広告」をクリックすると、「モデル比較」や「コンバージョン経路」など新しいアトリビューション機能を利用できます。これを確認すると分析情報はより詳細になり、実用性が高いと言えます。
Google 広告で活用できる3つの機能
➊ GA4のオーディエンスデータを使用して、Google 広告のリマーケティングを強化できる
リマーケティングは、過去にウェブサイトに訪れたことがあるユーザーに広告を配信するための手法です。
自社の商品やサービスに関心があるユーザーに狙って広告を配信することができるため、コンバージョンを効率的に獲得できる傾向があります。
Google広告アカウントにおけるリマーケティングの方法は2つあります。
方法1:Google広告のリマーケティング用のタグをウェブサイトに別途設置する
方法2:Google アナリティクス(GA4)で作成した「オーディエンス」をGoogle広告と連携して利用する
方法2は「特定のページを閲覧したユーザー」や「特定キャンペーンからアクセスしたユーザー」など、様々な条件でオーディエンスを作成することができ、ウェブサイトに新しくタグを設置する必要がないので、おすすめです。
Google アナリティクス(GA4)で作成できるのは「カスタムオーディエンス」と「予測オーディエンス」2種類があります。それぞれの設定手順を紹介します。
【Google広告の管理画面からの設定手順】
⦿カスタムオーディエンスを作成する
「管理」→「データの表示 >オーディエンス」をクリックすると、オーディエンスの新規作成画面が表示されます。テンプレートを利用してオーディエンスを作成したい場合は「オーディエンスの候補」の中からテンプレートを選択します。
ゼロから作成したい場合は、「カスタムオーディエンスを作成する」をクリックします。詳しい設定方法はここで省略します。
⦿予測オーディエンスを作成する
Google アナリティクス(GA4)には機械学習を活用した予測機能があります。予測オーディエンスを作成してGoogle広告に連携し、リマーケティング広告の配信に活用できるようになっています。
「カートに商品を追加したが、購入画面に進めなかった」といったような事実に基づく条件設定ではなく、予測オーディエンスは「購入する可能性が高い既存顧客」といったような機械学習による予測に基づく条件設定です。しかし、予測オーディエンスを使用するためには、以下3つの前提条件を満たす必要があります。ご注意ください。
1.購入ユーザーおよび離脱ユーザーのポジティブ サンプルとネガティブ サンプルの最小数。過去 28 日の間の 7 日間で、対象の予測条件(購入または離脱)をトリガーしたリピーターが 1,000 人以上、トリガーしていないリピーターが 1,000 人以上必要です。
2.モデルの品質が一定期間維持されていることが要件になります。
3.購入の可能性と予測収益の各指標の両方を対象とするには、プロパティは purchase(収集が推奨されるイベント)と in_app_purchase(自動的に収集されるイベント)、またはそのどちらかを送信する必要があります。purchase イベントを収集する場合、そのイベントの value と currency のパラメータも収集する必要があります。
出所:[GA4] 予測指標
満たしていない場合は、「予測可能」タブが表示されないか、個々の予測オーディエンスの「利用条件のステータス」箇所に「利用不可」と表示されます。
➋ GA4のキーイベントに基づいて Google 広告でコンバージョンを作成・参照できる
Google アナリティクス(GA4)で設定したコンバージョン(キーイベント)は、Google 広告にインポートしてレポートと入札に使用できます。Google 広告にコンバージョン(キーイベント)をインポートすると、次のような3つのメリットがあります。
1.Google アナリティクス(GA4)のコンバージョンと Google 広告のクリックに関連するデータを参照できる
2.Google アナリティクス(GA4) データを Google 広告で確認できる
3.Google 広告のスマート自動入札でGoogle アナリティクス(GA4)の分析データに基づいて入札単価を最適化できる
出所:[GA4] コンバージョンを Google 広告にインポートする
【Google広告の管理画面からの設定手順】
「目標」から「コンバージョン>概要」を選択し、次の画面で「新しいコンバージョン アクション」をクリックします。
「インポート」を選択し、インポートするコンバージョンの中から「Google アナリティクス 4 プロパティ」でアプリかウェブか対応するタイプを選択し「続行」をクリックします。
インポートしたコンバージョンはコンバージョンアクションの一覧に表示され、アカウントやキャンペーンの目標として利用可能になります。
➌ GA4の指標をGoogle広告にインポートすることで、データを Google 広告レポートに追加する
【Google広告の管理画面からの設定手順】
Google アナリティクス(GA4)とGoogle広告アカウントのリンク後、「アプリとウェブの指標をインポートする」と「Google アナリティクスのオーディエンスをインポートする」を有効にします。
Google広告アカウントでGA4のいくつかの指標が確認できるようになります。
前述しましたが、広告アカウントの権限の管理ルールは異なるため、広告代理店の運用者がGoogle アナリティクス(GA4)全てのデータを確認できない場合でも、上記の基本的な指標を把握することで、インサイトに役立つと思います。
【注意】Google 広告と Google アナリティクス(GA4)をリンクしたにもかかわらずアナリティクスに Google 広告データが表示されない場合もあります。一般的な原因は4つあります。解決方法は、以下のヘルプページをクリックして確認してください。
もし、以下のケースにどちらにも当てはまらない場合は、 Google アナリティクス(GA4)データがGoogle広告アカウントに反映されるまで時間がかかります。1~2時間を待ちましょう!
・Google 広告アカウントとアナリティクス プロパティがリンクされていない
・Google 広告アカウントをリンクしてから 48 時間経過していない
・自動タグ設定が有効になっていない
・リダイレクトによって Google 広告の GCLID パラメータの欠落が発生した
出所:[GA4] Google アナリティクス 4 プロパティに Google 広告データが表示されない
まとめ
以上、Googleアナリティクス4(GA4)とGoogle広告を連携するメリットと活用できる機能を紹介しました。
Googleアナリティクス4(GA4)とGoogle広告を連携することで、広告主側はGoogle広告のパフォーマンスをリアルタイムで確認することができます。広告代理店側の運用者も「どうしてこのキーワードのコンバージョン率が高いのか?」と、各キーワードから流入したユーザーのアクセス解析データを参照しながら、要因を深掘りしたり、仮説を立てたりすることができます。
GoogleアナリティクスとGoogle広告を連携する目的は、ユーザーや広告主様のビジネスへの理解を深め、広告の費用対効果を上げて広告主のビジネスにさらに貢献することです。分析や検証を行わないと、連携の意味がありません。
当社は、Web解析士およびGoogleアナリティクス認定資格を取得し、Google広告運用歴5年以上の担当者が直接対応します。Google広告やGoogleアナリティクス4(GA4)についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。